在日コリアンの方が結婚相手として同胞と巡り会う確率は極めて低いと思われ、日本人との結婚となるケースが多く想定されます。
この記事では、 在日コリアンと日本人の結婚に必要な手続 について解説いたします。
なお、在日コリアン同士が結婚する場合も同様の手続が必要となるので、この記事を参考にしてください。
結婚手続の前提
まず確認したいことは、韓国籍の方の戸籍が韓国にあるかどうかです。既に韓国のパスポートをお持ちの方は問題ないはずです。そうでなければ、親御さんに、自身の出生を韓国に (または日本にある韓国領事館や民団に) 届け出たかどうか確認してみてください。
もし自身の出生が韓国の戸籍 (家族関係登録簿) に登録されていないようであれば、その登録から始めなければなりません。ただし、この場合にも、日本の役所に「申述書」(結婚要件を備えているが証明書が用意できない旨を自己申告する書類) の書式を用意している場合がありますので、これを婚姻届に添えることで、韓国の戸籍登録を後回しにする作戦もあります。
なお、韓国の戸籍制度『家族関係登録制度』と、戸籍証明の取得方法についてはこの記事『在日の相続・結婚には韓国から戸籍の取り寄せが必要?』をご参照いただければと思います。
出生申告手続
韓国への出生申告ができていない場合は、韓国領事館に出向いて手続してください。その際には、予め日本の役所で必要な証明書を取得して、さらに韓国語への翻訳文を用意する必要があります。
分類 | 書類 | 入手先/提出先 |
---|---|---|
提出書類 | 出生申告書 | 韓国領事館宛て |
準備すべき書類 | 出生届記載事項証明書 住民票 | 市区町村役場より |
上記2点の韓国語翻訳文 | (当事務所で翻訳可能) | |
親の戸籍(家族関係証明書と 婚姻関係証明書) | 韓国領事館より | |
持参する証明書 | 特別永住者証明書(カード) または在留カード |
結婚の手続
在日コリアンと日本人との結婚の手続は、日本の役所に届け出た後、韓国領事館に届け出ることが一般的です。日本の役所では、結婚を届け出る人の韓国における戸籍を確認されますので、順序は以下の通りとなります。
- 韓国領事館で韓国の戸籍(家族関係証明書等)を取得する
- 婚姻届を日本の役所に提出し婚姻届受理証明書を受領する
- 婚姻申請を韓国領事館に提出する (原則3ヶ月以内に)
では、この手続について順にご説明いたします。
日本の役所への婚姻届
まずは日本の役所への婚姻届提出ですが、準備すべき書類を予め用意してください。特に韓国領事館で戸籍を取得して、さらに日本語への翻訳が必要となることにご留意ください。韓国戸籍が取得できない場合には先に挙げた 申述書を提出する作戦 も検討してください。
また、届出が済んだら「婚姻届受理証明書」を受領しておいてください。
分類 | 書類 | 入手先/提出先 |
---|---|---|
提出書類 | 婚姻届 | 市区町村役場宛て |
準備すべき書類 | 韓国戸籍(「基本証明書」、 「婚姻関係証明書」、 役所によっては 「家族関係証明書」も必要) | 韓国領事館より |
上記の日本語翻訳文 | (当事務所で翻訳可能) | |
上記が準備できない場合は 「申述書」 | 市区町村役場で相談 | |
持参する証明書 | 特別永住者証明書(カード) または在留カード |
韓国領事館への婚姻申告
次に韓国領事館への婚姻申告ですが、こちらも準備すべき書類を予め用意してください。特に日本の役所で発行された「婚姻届受理証明書」の韓国語訳が必要になる点にご留意ください。
また、申告期限は原則として婚姻成立から3ヶ月以内とされています。
分類 | 書類 | 入手先/提出先 |
---|---|---|
提出書類 | 婚姻申告書 | 韓国領事館宛て |
準備すべき書類 | 婚姻届受理証明書 | 市区町村役場にて |
上記の韓国語翻訳文 | (当事務所で翻訳可能) | |
韓国戸籍(「基本証明書」、 「婚姻関係証明書」) | 韓国領事館にて | |
持参する証明書等 | 特別永住者証明書(カード) または在留カード | |
夫婦両方の印鑑 |
まとめ
在日コリアンと日本人の結婚には煩雑な手続が必要となることがご理解いただけたと思います。
大抵の方には韓国領事館は敷居が高く、また書類の翻訳も難しいのではないでしょうか。
当事務所では韓国領事館からの戸籍取得と、書類の翻訳 (韓→日、日→韓) についてサービスを提供できます。どうぞご利用ください。