在日コリアンの方や、韓国から日本へ帰化した方が、ご自身やご家族の韓国戸籍を取得するには、登録基準地の確認や必要書類の準備など、分かりにくい点が少なくありません。
この記事では、2026年の最新の取扱いと当事務所の申請実務を踏まえ、日本国内の韓国領事館で韓国戸籍を取得する方法、必要書類、申請から交付までの流れを詳しく解説します。
韓国の戸籍にはどのような種類がある?
韓国では、2008年1月1日に従来の戸籍制度が廃止され、新たに「家族関係登録制度」が施行されました。
そのため、取得する書類は大きく分けて、2007年以前の戸籍を確認する「除籍謄本」と、2008年以降の身分関係を証明する「家族関係等証明書 (5種類)」があります。
現在、正式には「韓国戸籍」という名称の書類はありませんが、この記事では、除籍謄本と家族関係登録簿等の証明書を分かりやすく総称して「韓国戸籍」と表記します。
それぞれの証明書の種類や記載内容については、『在日コリアンの相続・結婚には韓国から戸籍の取り寄せが必要?』で詳しく解説しています。
どこで取得申請するの?
韓国戸籍は、日本国内にある韓国大使館領事部または各総領事館で取得申請できます。
申請先は、戸籍を取得する対象者の住所地ではなく、窓口で申請する人を基準に決まります。本人やご家族が申請する場合は申請者の住所地、行政書士が代理申請する場合は行政書士事務所の住所地を管轄する公館へ申請します。
次の3ヶ所では、必要書類が揃い、戸籍情報を確認できれば、原則として即日交付を受けることができます。ただし、いずれの公館でも、窓口で申請する人の住所地がその公館の管轄地域にあることが必要です。
- 大使館領事部 (東京都港区南麻布)
- 大阪総領事館 (大阪市中央区西心斎橋)
- 福岡総領事館 (福岡市中央区地行浜)
各公館の所在地と管轄地域は、駐日本国大韓民国大使館の『略史及び管轄地域』をご確認ください。
申請に必要な書類は?
必要なものは、窓口で申請する人と戸籍対象者との関係によって異なります。まず共通して必要なものを確認し、その後、ご自身に該当する項目をご覧ください。
すべての申請に共通して必要なもの
- 申請書 ※行政書士などの職業代理人が申請する場合は、韓国語版の申請書を使用します。
- 日本語版 『家族関係登録事項別 証明書 交付等 申請書』
- 韓国語版 『가족관계 등록사항별 증명서 교부 등 신청서』
- 戸籍対象者の登録基準地 登録基準地は、少なくとも「○○洞・○○里」まで正確に記載します。登録基準地の意味を知りたい方は、『韓国の戸籍取り寄せに必要な「登録基準地」って?』をご参照ください。
申請書には、戸籍対象者の氏名、生年月日、登録基準地、必要な証明書の種類・通数、使用目的などを記入します。氏名、生年月日または登録基準地が正確でない場合は、証明書を発給してもらえないことがあります。
本人が申請する場合
- 申請者の身分証 … 特別永住者証明書、在留カード、パスポート、運転免許証など、有効期限内の顔写真付き公的身分証の原本とコピー
配偶者・直系血族が申請する場合
- 戸籍対象者と申請者との関係が分かる書類 … 日本の戸籍謄本や出生届の届書記載事項証明書など、両者の関係を公的に確認できる発行後3か月以内の書類が必要です。日本で発行された書類については、韓国語訳を求められることがあります。
- 申請者の身分証 … 特別永住者証明書、在留カード、パスポート、運転免許証など、有効期限内の顔写真付き公的身分証の原本とコピー
行政書士が代理申請する場合
- 委任状 … 日本語版・韓国語版のいずれも使用できます。
- 日本語版『家族関係証明書交付申請委任状』
- 韓国語版『가족관계등록증명신청위임장』
- 委任者の身分証のコピー … 委任者本人のパスポート、運転免許証など、有効期限内の顔写真付き公的身分証のコピー
- 戸籍対象者と委任者との関係が分かる書類 … 委任者が戸籍対象者本人ではない場合は、日本の戸籍謄本、出生届の届書記載事項証明書など、両者の関係を確認できる発行後3か月以内の書類が必要です。
- 日本で発行された書類の韓国語訳 … 行政書士が代理申請する場合、日本の戸籍謄本や関係を証明する書類には韓国語訳が必要です。
- 行政書士の本人確認書類 … 行政書士証票に加えて、運転免許証などの原本とコピー
- 行政書士の職印 … 申請書または委任状に職印を押します。
行政書士が代理申請する場合は、韓国語版の申請書を使用します。委任状については、日本語版でも受理されます。
本人または親族が日本へ帰化している場合
- 帰化の事実が記載された日本の戸籍謄本 … 発行後3か月以内のものを用意します。転籍などにより現在の戸籍謄本に帰化の記載がない場合は、帰化の事実を確認できる従前の戸籍謄本または除籍謄本が必要です。
- 日本の戸籍謄本等の韓国語訳 … 行政書士が代理申請する場合は、韓国語訳が必要です。本人やご家族が申請する場合も、申請先の公館から韓国語訳を求められることがあります。
親養子入養関係証明書を取得する場合 (特殊ケース)
親養子とは、日本の特別養子に相当する制度です。婚姻手続や通常の相続手続で親養子入養関係証明書が必要になるケースは多くありませんが、取得する場合は、通常の家族関係等証明書とは申請できる人の範囲が異なります。
- 本人または本人から委任を受けた代理人が取得できます。
- 本人が死亡しており、相続手続のために取得する必要がある場合は、死亡した本人名義の不動産登記事項証明書や、残高のある預貯金通帳など、相続財産を証明できる資料を持参し、相続人が公館の窓口で相談します。代理人が申請する場合は、相続人からの委任状も必要です。
取得申請のステップ
訪問予約 (行政書士が代理申請する場合)
行政書士が代理申請する場合は、事前に公館への訪問予約が必要です。本人やご家族が申請する場合は、予約をせずに当日の受付順で申請できます。
訪問予約は『재외동포 365민원포털 (在外同胞365行政サービスポータル)』の中段右側のカレンダーアイコン「재외공관 방문예약 (在外公館訪問予約)」から行います。サイトは韓国語で表示されるため、韓国語が分からない方には予約操作が難しい場合があります。
職業代理人が1回の予約枠で取得できる証明書は、最大10枚です。10枚を超える証明書を取得する場合は、必要な枚数に応じて2枠以上の訪問予約を取る必要があります。
2026年現在、戸籍申請の訪問予約枠は、原則として隔週木曜日の午前10時に、その先2週間分が公開されます。
戸籍申請とビザ申請は、同じ訪問予約システムを使って予約を受け付けています。そのため予約が集中し、公開後わずか数分で枠が埋まってしまうことがあります。予約を取れなかった場合でも、キャンセルなどにより随時空きが出ることがありますので、定期的に確認することで空いた枠を確保できる場合があります。
予約枠の公開日時や対象期間は変更される可能性があるため、実際に予約する際は、在外同胞365行政サービスポータルの最新表示もご確認ください。
入館から申請窓口まで (東京の大使館領事部の場合)
大使館領事部の最寄り駅は、東京メトロの麻布十番駅です。2番出口から地上に出て、その向きのまま約4分まっすぐ歩くと大使館領事部に到着します。
同じ南麻布には、大使館領事部とは別に大使館本館があります。私は行き先を間違え、危うく予約時間に遅刻しそうになった経験があります (両施設の間は、急いで歩いても7分かかります)。
ちなみに、大使館領事部の建物の中は、ウィーン条約に基づき日本の警察も許可なく立ち入れない場所です。緊張感が漂いますが、頑張って入ってみましょう。
- 建物に入ると、守衛職員から訪問目的を聞かれますので、「家族関係証明書の取得申請です」と答えます (日本語で大丈夫です)。
- 空港の保安検査場のような金属探知ゲートを通る必要があり、手荷物も検査されます。
- ゲートを越えたら、入館受付カウンターの訪問者受付簿に、時刻、氏名、国籍、目的 (「家族関係登録」を選択) を記入します (日本語で大丈夫です)。
- 2階に案内されるので階段を上がり、その階の総合受付カウンターで目的を伝え、身分証を提示します (日本語で大丈夫です)。通常は受付番号札をもらいますが、予約訪問の場合は番号札が発行されず、そのまま先へ進むように案内されます。
- 総合受付カウンターの横に印紙の自動販売機があることを確認しておいてください。
- 8つほどある窓口のうち、奥側の3つが戸籍関係の窓口です。受付番号か名前が呼ばれるまで、窓口近くのベンチで待ちます。
申請窓口にて
- 呼ばれたら申請窓口に進みます。職員には日本語が通じますが、私は「안녕하십니까 (アンニョンハシムニカ)」だけでも話すようにしています。
- 用意していた申請書と必要書類をカウンター越しに渡します。
- 申請内容について日本語で質問されます。聞き取りにくいときや質問の意味が分からないときは、分かったふりをせず、もう一度確認してから答えましょう。
- 質疑が終わると、職員がコンピュータで戸籍情報を検索します。検索と発行準備のため、10分以上待つことがあります。
- 書類の発行準備ができると再度呼ばれ、「16番の印紙を7枚買ってください」などと指示されます。担当者によっては、印紙を購入する前に戸籍書類を渡され、「印紙を買って持ってきてください」と案内されることもあります。
戸籍関係の手数料は1通につき130円で、自動販売機では16番のボタンを使用します。タッチ決済などは利用できないため、現金を用意しておきましょう。 - 総合受付の横にある自動販売機で、指定されたボタン番号と枚数に従って印紙を購入し、申請窓口へ戻ります。通常は印紙と交換で戸籍書類を受け取りますが、すでに書類を受け取っている場合は、購入した印紙を担当者へ渡します。受け渡しの順番は担当者によって異なるため、その場の案内に従ってください。
- ベンチに戻り、発行された書類の種類、戸籍対象者の氏名・生年月日、通数などに間違いがないか確認しましょう。不明な点や誤りがあれば、建物を出る前に窓口へ確認します。
- 帰りは特にチェックを受けません。1階へ降り、守衛さんに会釈して建物の外へ出たらミッション完遂です。
まとめ
韓国戸籍を取得するには、戸籍対象者の氏名、生年月日、登録基準地などを確認し、申請者の立場に応じた必要書類を準備する必要があります。
また、申請先は窓口へ行く人の住所地を管轄する公館となり、行政書士が代理申請する場合は、韓国語版の申請書、関係書類の韓国語訳、訪問予約なども必要です。
この記事を読んでも、次のような不安を感じる方も多いのではないでしょうか?
こうしたお悩みがある方は、ぜひ当事務所にご相談ください!
当事務所では、行政書士が必要書類の確認、韓国語版申請書の作成、日本の戸籍謄本などの韓国語訳、領事館での代理申請まで一貫してサポートいたします。取得した韓国戸籍の日本語訳 (韓→日) や、日本の書類の韓国語訳 (日→韓) にも対応可能です。
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